人間の生きる意味

私が尊敬する小林正観さんのお話です。

 

 

 人間の生きる意味についてのお話です。

 

 

 小林正観さんの長女のお話です。

 

 小林正観さんは、30歳で結婚し、子どもが欲しい、欲しいとずっと思っていました。小林正観さんが33歳の時、子どもが生まれあまりにうれしくて、うれしくて「慶」という漢字をどうして使いたくて、慶子と名付けました。しかし、慶子ちゃんは染色体に異常があって知能に障がいがある子どもとして生まれました。子どもはずっと欲しいと思っていましたが、まさか自分の子どもが障がいをもって生まれてくるとは思っていなかった小林正観さん、なかなか障がいにを受け入れることができません。ショックで目の前が真っ白になったそうです。(本人談)半年ほど経って、新生児の600人に1人は何ならかの障がいをもって生まれてくると新聞のコラムに書いてあるのを見つけ、「この子は、障がいを持ってもいじめられない親を探して、私たち夫婦のもとに生まれてきてくれたんだ。」となんとか障がいを受け入れることができたそうです。実は、この慶子ちゃんから沢山のことを学んでいくことになるのです。

 

 

 慶子ちゃんは、知的に障がいもあり、筋肉も健康な人の1/3程度しかつかない障がいもあり、小学校の徒競走では、いつも最下位です。そんな慶子ちゃんが小学校6年生の時、クラスの女の子が足首を捻挫しました。その捻挫した女の子は、捻挫をしながらもどうしても運動会に出たい、徒競走に参加したいと担任の先生に言い、運動会の徒競走に参加します。捻挫した女の子は、慶子ちゃんと一緒に走ることとなっており、小林正観さんの奥さんはその事を知って、「初めて慶子ちゃんが、最下位ではないかもしれない。」と喜んでいました。

 小林正観さんは、運動会当日仕事で見学ができず、自宅で慶子ちゃんと奥さんの帰りを待っていました。慶子ちゃんと奥さんは、にこにこ笑顔で「ただいま」と言い自宅に帰ってきました。小林正観さんは、笑顔の2人を見て「徒競走は、最下位ではなかったのかい?」と声をかけると「ううん、最下位。」と笑顔で答えます。小林正観さんは、不思議に思っていると奥さんが運動会での徒競走と話を説明してくれます。

 

慶子ちゃんと徒競走

 

 足を捻挫した女の子はどうしても運動会に参加したくて、捻挫をおして運動会、徒競走に参加します。知的に障がいがあり、筋肉にも障がいがある慶子ちゃん、捻挫をおして参加する女の子と一緒の組で徒競走を走ることになり、初めて徒競走で最下位を回避できるかもと小林正観さんの奥さんは期待します。

 「よーいどん」と徒競走が始まると慶子ちゃんは一生懸命走りだします。捻挫をしている女の子は、やはり足が痛くて走れません。慶子ちゃんはその女の子のところまで戻り、肩を貸して一緒に走り出します。そして、ゴール直前で慶子ちゃんは女の子の背中を押して、慶子ちゃん自ら最下位を選択します。最下位を選択した慶子ちゃんですが、会場のみんなから拍手をもらい、慶子ちゃんに対して歓声が起こります。その光景を見た小林正観さんの奥さんは感動します。

 

 

 小林正観さんは、中央大学を卒業しています。小さい頃から勉強して、クラスメート

とテストの点数で常に競い合って、勝利してきました。結果を残すことに快感も得て、さらに勉強をして、結果を残し、さらに勉強する。競争することを肯定し、競争社会で勝ち残ってきた小林正観にとって勝機会があるのにその機会を自ら拒否する慶子ちゃんの行動が理解できませんでした。でも会場は慶子ちゃんの行動に感動している、何より慶子ちゃん自身が笑顔で幸せそうにしている。もしかして、競い合ってきた自分の人生が間違いだったのではないかと思い始めます。

 

 

 

プロ野球選手の松井秀喜さん

 

 元プロ野球選手の松井秀喜さんは、高校時代から有名でした。松井秀喜さんが高校3年生の甲子園で全打席敬遠され、試合に負けてしまいます。松井秀喜さんは、試合に負けて、勝負をしてくれなかった相手のチームを批判しませんでした。愚痴や不満を言わずにそのままプロ野球選手として活躍します。甲子園で全打席敬遠されたことが伝説となって「松井秀喜」さんをより一層輝かせるものとなりました。あの敬遠は、もしかしたら、試合に勝つことよりももっと大事なものを手に入れることためのだったのかもしれません。

 

 

慶子ちゃんと松井秀喜さん

 

 慶子ちゃんは徒競走で「勝つこと」を選ばず、勝たないことで感動を、松井秀喜さんは試合に勝てないことでそれが伝説に…結果も大事だと思いますが、結果を出さないことが後にとんでもない結果になることもあるということですが、このことから人間にとって、人生において「勝つこと」よりももっと大事なことがあるのかもしれませんね。

 

 

 

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